相続した家が空き家だと固定資産税が膨れ上がるってホント?
物件は資産なので固定資産税がかかりますが、空き家を所持している場合、固定資産性が高くなってしまうのをご存じでしょうか。空き家の状態によっては、固定資産税が6倍になってしまうこともあります。今回は「相続した家が空き家の場合どうしたらいいの?」とお悩みの方に向けて、空き家の固定資産税についてご紹介します。
特定空き家は固定資産税が最大で6倍に!?
倒壊する危険がある空き家を減らすために、2015年5月から「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が始まりました。法律にもとづき「特定空き家」として認定されてしまうと、固定資産性が最大で6倍になってしまいます。どのような物件が特定空き家に認定されるのかをまとめました。
特定空き家は段階的なチェックがある
いきなり特定空き家に認定されることはありません。特定空き家に認定されるには、段階的なチェックが入ります。空き家に周辺住民から苦情が寄せられると、自治体の調査が入ります。その後、空き家の所有者に管理状況について問い合わせがきます。管理が行き届いていない場合は、空き家の修繕について助言や指導がありますが、しばらくしても改善されていなければ、特定空き家に認定されてしまう仕組みです。
管理状況があまりにひどい物件だと固定資産税が上がる
管理状態がひどい物件は、特定空き家に認定されてしまいます。放置し続けると倒壊する恐れのある物件や、衛生上よくないと判断される物件、管理をおこたって景観を損ねている物件、周辺の環境の保全のため、放置できない物件などは特定空き家に認定されてしまう可能性があるので、気をつけてください。
人の出入りや電気・ガス・水道の使用状況も判断基準になる
空き家は、すぐに固定資産税が上がるわけではありません。空き家かどうかは、人の出入りがあるかどうか、電気・ガス・水道の利用状況があるかをチェックされます。また、所有者の住民票や空き家の管理状態も総合的にチェックされるため、空き家を持つ人は「つねに行政からチェックされている」と意識しておいたほうがいいでしょう。
改善を怠った場合は50万円以下の罰金が科せられることも
改善をした場合は問題ありませんが、忠告を無視して特定空き家を放置し続けると、最悪の場合50万円以下の罰金が科されるケースがあります。倒壊ギリギリの物件の場合は、周囲の安全を最優先して自治体が空き家を取り壊し、費用を請求されることもあります。特定空き家を放置するのは、デメリットだらけなのです。
空き家は放置しないほうがよい!
空き家を相続した場合、なるべく放置しないように対策を考えておきましょう。空き家をそのままにしておくと、思わぬ落とし穴が待っています。空き家を所持し続けるデメリットを4つご紹介します。
空き家は犯罪に使われることもある
あまり考えたくないですが、空き家は犯罪に使われることがあります。放火犯に狙われてしまったり、行き場所のない犯罪者が隠れ家として利用したりするケースがあるようです。住んでいる場所から遠く離れた地域の空き家だと、仮に誰かが住み着いてしまったとしても、すぐには気づきません。
資産価値がみるみる減少する
物件は築年数が増えるごとに資産価値が減っていきます。ろくに管理もせず物件を放置してしまうと値段が付けられない資産になってしまうことも。シロアリやスズメバチやムカデなどの害虫が繁殖してしまう可能性もあるため、定期的なメンテナンスは必須です。
固定資産税を支払い続けるため余計な出費になる
使いもしない家のために固定資産税を支払うのは、得策だとはいえません。一戸建ての固定資産税の平均額は10〜15万円ほどなので、空き家を所持し続けると結構な出費になります。
損害賠償を請求されることも
物件を放置することでトラブルが起きてしまった場合、損害賠償請求される可能性があります。たとえば空き家が倒壊して近隣住民に被害があった場合は、損害賠償が数千万円から数億円と非常に高額になるケースもあります。周囲の人に迷惑がかからないように管理を徹底するのは、最低限のマナーです。
空き家問題を解消する3つの選択肢
もし今空き家を所有している場合は、いったいどうしたらいいのでしょうか。空き家問題を解決する3つの選択肢をご紹介します。
物件を売却する
解決策の1つ目は、思い切って物件を売却してしまうことです。誰も使う予定がない空き家を放置するよりは、誰かに使ってもらったほうがいいでしょう。売却益が得られるうえに、毎月の維持費が削減できるのは大きなメリットです。空き家を売却する場合は、物件の査定サービスを活用しながら、手続きを進めてみてください。
借り手を見つける
解決策の2つ目は、新しい借り手を見つけることです。賃貸物件としてまだまだ需要がありそうな空き家は、不動産業者に仲介してもらって借り手を探すといいでしょう。また、物件を売却すると所有権を失いますが、賃貸だと所有権をそのままに毎月の賃料の収入が得られるため、資産運用としても有効です。
寄付する
解決策の3つ目は、物件を自治体に寄付することです。寄付とは物件を譲渡することなので、売却益はありませんが、固定資産税の支払いから解放されるメリットがあります。寄付として採用されるかどうかは、自治体に相談してみないとわかりませんが、気になる人は相談してみるといいでしょう。
相続した空き家が「特定空き家」に認定されてしまうと、固定資産税が6倍になってしまうことがあります。特定空き家は著しく管理状態のひどい物件が認定されるので、普段から空き家の管理は怠らないよう注意してください。どうしても自分で管理ができない場合は、物件を売却するか賃貸に出すか、自治体に寄付するなど対策をとりましょう。