不動産を相続したり、持ち家に住まなくなったりなどの理由から空き家を所有する場合があります。しかし、売却方法がわからない、手続きが面倒などの理由で空き家を放置しておくと、さまざまなデメリットが生じてしまうでしょう。この記事では、空き家をスムーズに売却するコツなどをご紹介。空き家の売却で困っている人は参考にしてください。

空き家の放置はデメリットだらけ！

家主が亡くなった家を相続したり、親と同居するために持ち家に住まなくなったりなどの理由から、空き家を所有する場合があります。空き家は放置しておくとさまざまなデメリットが生じるため、注意が必要です。

ひとつ目のデメリットは、固定資産税の増税です。固定資産税は土地や建物にかかる税金ですが、住宅用の敷地の場合、特例として税金が安く設定されています。しかし空き家の場合、住宅用の特例が適用されず、固定資産税が高くなります。

ふたつ目のデメリットは、メンテナンスの手間がかかることです。空き家は、放置しておくと雑草が生えたり、害虫が発生したりするなど、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があります。また、放火の被害に遭ったり、不審者が潜む場所になってしまったりなど、犯罪が起きる要因になる可能性もあるのです。そのため、所有者が定期的にメンテナンスをして、きれいに保つ必要があります。

みっつ目のデメリットは、売却時の税制優遇が受けられなくなることです。不動産を売却したとき、売却益に税金がかかります。ただし、マイホームの場合、3,000万円までは税金がかからない優遇制度が用意されています。この税制優遇は、不動産に住まなくなってから3年が経過する日の年の12月31日までに売却することが適用条件のひとつです。そのため、空き家を所有した場合は、3年以内に売却することをおすすめします。3年を過ぎて長期的に所有していると、売却時に多くの税金を取られる可能性があるため、注意しましょう。

空き家の売却をする3つの方法とは

空き家の売却方法は、3つあります。

ひとつ目は、家付きで売る方法です。家付きで売る場合、中古物件としてすぐに売り出せます。中古物件を購入して自分好みにリフォームしたい人もいるため、一定の需要が見込めるでしょう。

ふたつ目は、更地にして売る方法です。地域によっては、更地を購入して新築物件を建てたいという人が多い地域もあります。このような場合、家付きよりも更地の方がスムーズに売却できる可能性があるのです。しかし、取り壊しのタイミングによっては固定資産税の負担が大きくなったり、税制優遇が適用できなくなったりする可能性があるため、自己判断せず、不動産会社などに相談しましょう。

みっつ目は、不動産買取業者を利用する方法です。不動産買取業者を利用すれば、約1週間程度で物件を売却することもできます。希望価格での売却は難しいかもしれませんが、すばやく売却して現金を得たい人におすすめの方法です。

空き家の売却で必要な費用は？

空き家を売却するときには、仲介手数料、解体費用、測量費用、譲渡所得税、印紙代などがかかります。仲介手数料は、不動産の売却を仲介してくれる会社に支払う手数料です。解体費用は、更地にして売る場合に必要な費用です。金額は木造、鉄骨などの構造や坪数などによって異なります。測量費用は、空き家や土地の広さを計測するための費用です。

売却前に正確に計測しておくことで、想定より土地が狭くて購入者が希望の家を建てられないなどのトラブルを避けられます。譲渡所得税とは、物件を売却したときに得た利益にかかる税金です。購入時よりも売却時の金額の方が大きい場合に発生します。税率は、物件の所有期間に応じて決まるものです。印紙代は、売買価格に応じて決められています。

空き家売却をスムーズにするためのコツ

空き家をスムーズに売却するためのコツをふたつご紹介します。

ひとつ目は、空き家の名義を確認することです。不動産の売却は名義人でなければできません。相続した物件の場合、名義人が売却する人になっていることを確認してから売却を進めましょう。

ふたつ目は、複数の不動産会社に査定を依頼することです。複数社に査定してもらうことで、不動産の相場価格を把握でき、納得の価格で売却できます。相場を把握しておけば、適正価格を提示できているか、この価格で売却していいのかといった不安を抱えることなく、買い手が現れたときにスムーズに売却手続きを進められるでしょう。

まとめ

空き家は放置しておくと、固定資産税が上がったり、雑草や害虫の発生で近隣に迷惑がかかったりするなどして、さまざまなデメリットがあります。そのため、放置せずに早めに売却することが大切です。売却方法は、家付き、更地、買取業者の利用などから選べます。どの方法を選べばよいかわからない人は、自己判断せずに不動産会社などに相談しましょう。スムーズに売却手続きを進めるために、売りたい物件の名義人が売却手続きを進める人になっていることを確認することも大切です。売却方法の選択を誤り、税金面などで損しないように不動産会社などを頼って納得のいくかたちで売却しましょう。