居住中の物件の内覧は、買い手にとって物件を詳しく知れる機会です。しかし、居住者が事前準備を怠ったり、過度に物件をアピールしたりしてしまうと、マイナスな印象を与えてしまいます。そこでこの記事では、居住中の物件の内覧対応のための事前準備や、当日の注意点をご紹介します。内覧対応する予定がある人は、参考にしてください。

内覧は売主にも買主にも重要

物件の内覧は、売主にも買主にも重要な場面です。買主は、基本的にインターネットに掲載されている写真などの情報から物件の候補を選びます。しかし、インターネットの情報だけでは、日当たりや天井高さ、部屋からの眺めなどは確認しにくいでしょう。物件購入は大きな買い物のため、買主も内覧して住むイメージができる物件を購入します。

売主にとって内覧は、売りたい物件を詳しく知ってもらい、気に入って購入してもらうためのよい機会です。内覧でよい印象を与えられれば、売却もスムーズに進められるでしょう。内覧での対応に失敗してしまうと、売却のチャンスを逃してしまうため、しっかりと事前準備し、当日の対応の注意点を把握しておくことが大切です。

内覧対応前に必ず準備すべきこととは

内覧は、売主にとって物件売却のための大きなチャンスです。そのため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。内覧対応前に準備すべきことを4つご紹介します。

1つ目は、掃除しておくことです。内覧に来たときに部屋がきれいでなければ、買い手の購入意欲が失せてしまいます。玄関や水まわり、ベランダなど可能な限りきれいに掃除しておきましょう。

2つ目は、換気しておくことです。部屋に入ったときのにおいも、内覧においては重要なポイントです。普段生活していると、自分の家のにおいは気にならないかもしれません。しかし、買い手にとって部屋のにおいは、物件の第一印象を大きく左右するため、換気して空気をすっきりさせておきましょう。

3つ目は、部屋を明るくしておくことです。内覧のときには、カーテンを開け、電気をつけておきましょう。部屋が暗いと、よい印象を与えられません。明るく開放的な雰囲気で内覧対応しましょう。

4つ目は、不動産会社との打ち合わせをしておくことです。内覧当日の流れや、スリッパの準備、見られたくない収納スペースや部屋など、事前に不動産会社の担当者と打ち合わせを行い、内覧当日にゆとりを持って対応できるように準備しておきましょう。

内覧中にどのような応対をすべきか

内覧中の応対は、買い手の購入意欲を大きく左右します。どのような応対をすべきか、ポイントを3つご紹介します。

1つ目は、明るく対応することです。内覧当日は売り手も緊張します。しかし、かたい表情で質問しにくい雰囲気を作ってしまうと、買い手は少し内覧しただけで帰ってしまいます。これでは売却のチャンスを無駄にしてしまいます。

また、強く営業するのもやめましょう。しっかり対応しよう、購入してほしいという気持ちから、物件を強くアピールしてしまうと押し売りのように感じられ、買い手に嫌な印象を残してしまうので注意しましょう。

2つ目は、しっかりと質問に答えることです。買い手が居住中の物件を内覧するメリットは、実際に住んでいる人に話を聞ける点です。その物件に住む人にしかわからないことはたくさんあります。

たとえば、近隣の生活音はどれくらい聞こえるか、日当たりはどうか、周辺施設の利便性はどうかなど、買い手は住んでいて感じることを聞きたいでしょう。居住者は買い手が住むイメージを描けるように、可能な限りしっかりと質問に答えましょう。

このとき、嘘をついてはいけません。不便な部分や気になる部分なども正直に伝えることで、購入後のトラブルを防止できます。

3つ目は、部屋を出ることです。質問などに丁寧にしっかりと答えることも大切ですが、ずっと近くにいるのではなく、買い手や不動産会社の担当者だけでゆっくりと内覧できる時間を取ってあげることも重要です。

居住者がいると、気を遣ってしまい、ゆっくりと隅々まで見られない場合があります。そのため、事前に見られたくない部分は不動産会社の担当者と打ち合わせしたうえで、部屋を出る時間も作りましょう。

まとめ

居住中の物件の内覧は、買い手にとって実際に物件を目で見て確認でき、住んでいる人に話を聞けるよい機会です。売り手にとっても、物件について詳しく知ってもらい、売却を成功させるためのチャンスです。しかし、居住者が事前準備を怠ったり、当日に適切な対応ができなかったりすると、マイナスな印象を与えてしまいます。

物件の魅力を伝えるためには、掃除や換気で部屋をきれいにし、内覧当日は明るく誠実に対応することが大切です。質問に対しては、嘘をつかずによい点も悪い点も正直に答えましょう。

購入してほしいという気持ちから、物件のアピールをしすぎるのではなく、買い手がゆっくりと内覧できる時間を確保することも大切です。不動産会社の担当者と協力しつつ、物件の魅力をしっかりと伝え、売却を成功させましょう。